住宅購入において、頭金の額は重要です。頭金を多く支払うと月々のローン返済額が減り、利息負担も軽減されますが、初期予算が多く必要になります。頭金の目安やゼロからの購入の際の注意点、頭金によって変わる返済シミュレーションなどを解説します。注文住宅をこれから購入する人は、ぜひ参考にしてください。
頭金の平均と目安
まずは、頭金の平均と目安を見ていきましょう。頭金の額は、住宅の形態ごとに大きく変わります。平均額と購入に占める割合の詳細は、下記の通りです。
注文住宅
注文住宅の頭金の平均額は595万6,000円で、購入費用の16.7パーセントを占めています。
土地付き注文住宅
土地付きで注文住宅を購入する場合、頭金の平均額は411万3,000円で、購入費用の9.3パーセントを占めています。
建売住宅
建売住宅の場合、頭金の平均額は270万円で、購入費用の7.5パーセントを占めています。
マンション
マンションの頭金平均額は784万9,000円で、購入費用の17.4パーセントを占めています。
住宅の形態ごとの比較
頭金の平均額はマンション、注文住宅、土地付き注文住宅、建売住宅の順で高い傾向にあることがわかります。注文住宅だけに焦点を当てると、土地付き注文住宅のほうが普通の注文住宅より頭金の額が低いです。
ただし、土地付き注文住宅の購入費用の頭金の割合が通常の注文住宅より低いことから、支払い総額は土地付き注文住宅のほうが大きいと推測できます。ただし、これらの平均額はあくまで目安であり、住宅の規模や立地、内装や設備のオーダー内容によって大きく異なります。
実際に住宅購入を検討する際は、あくまで参考程度にとらえておくことをおすすめします。
頭金0で購入する際の注意点
頭金0でも住宅を購入することは可能です。しかし、頭金0にすることにはいくつかの注意点があります。注意点を3つ順を追って解説するので、頭金0での住宅購入を検討している方はしっかりと確認しましょう。リスクをしっかりと理解することで、購入後の後悔を防げます。
借入金が増えて利息負担がかかる
頭金をかけず住宅を購入する場合、手元にまとまったお金がなくても住宅を手に入れられます。しかしその分、借入金の額が大きくなります。これは返済額が増えるだけではなく、借入金にかかる利息が大きくなることを意味します。
たとえば、注文住宅を3,000万円で購入したとします。この場合、頭金を500万円支払うと返済額は2,500円になります。しかし、頭金を支払わない場合は返済額は3,000万円です。差額分の500万円にかかる利息が、頭金を支払わない場合余計に発生します。利息が1パーセントの場合、5万円分の損をしている計算です。
諸経費分は現金が必要な場合がある
住宅購入の際は住宅そのものの金額に目が行きがちです。しかし、住宅購入の際には物件購入費以外にも経費がかかることを覚えておきましょう。内容としては、仲介手数料やローン手数料、登記費用に手付金、保険料などです。これらの支払いは住宅ローンに含めることができないので、別途支払いが必要です
諸費用ローンを利用する場合新たな金利が発生する
上記の諸費用は、別にローンを組むことが可能です。しかし、住宅ローンとは別のものなので、複数のローンと金利を抱えることになります。負債が複数になると、経済面のみでなく、精神的な負担にもなります。これらのことから、自己資金なしで住宅を購入することは難しいといえます。
頭金によってローンの支払い額が大きく変わる
先述した通り、頭金の支払額によって月々のローン額が大きく変わります。ローン額には金利も含まれるため、頭金を多く用意するほうがトータルの支払額は少額で済みます。月々のローン支払い額を、頭金の額ごとに見てみましょう。
3,000万円の住宅を購入した場合の頭金ごとの支払額
・頭金0円:月々8万4,686円:総額3,556万7,998円
・頭金300万円:月々7万6,217円:総額3,201万1,198円
・頭金500万円:月々7万0,571円:総額2,963万9,998円
例を見ると、頭金が多いほど支払総額が少ないことがわかります。月々の支払いも、頭金0円と500万円とでは約1万5,000円ほど変わってきます。目先の支払い額だけではなく、長期的に見た出費の額も意識することが大切です。
まとめ
頭金の額は、住宅購入において重要な要素です。頭金を多く支払うことで月々のローン返済額が減り、返済についてくる利息負担も軽減されます。記事では頭金の平均額と目安、頭金ゼロからの購入時の3つの注意点、頭金ごとの返済シミュレーションを詳しく解説しました。
頭金の額の大小はローンの支払い総額に大きく影響します。目先の支払額だけでなく、長期的な目線で出費を抑えることが大切です。注文住宅の購入を検討する際は、この記事を参考にしていただけると幸いです。頭金の重要性を理解し、賢く注文住宅を手に入れましょう。
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引用元:https://www.kuros.co.jp/