注文住宅は、顧客がこだわりをもってハウスメーカーや工務店に依頼する大きな買い物です。施工関係者はスムーズな取引を目指しますが、ときにはトラブルが発生することもあります。本記事では、よくあるトラブル事例と回避方法を紹介します。注文住宅の購入を検討している人は、この記事を見て万が一のトラブルに備えましょう。
注文住宅で起きやすいトラブル事例
注文住宅で起きやすいトラブルを、事例ごとに紹介します。それぞれの原因もまとめて紹介するので、参考にしてみてください。
施工ミスや不具合
注文住宅を購入する際、最も起こりやすいトラブルです。基礎や外壁のひび割れ、床や内装の変形、雨漏りの発生など施工ミスの内容は多岐にわたります。ハウスメーカーや工務店によって技術力が大きくことなるので、あらかじめ口コミやレビューを確認しましょう。
追加費用などの金銭トラブル
天候不順などの理由で工期が遅れるのは、住宅を建てるうえである程度しかたのないことです。また、資材の搬入が遅れて工期が延長するケースも時折見受けられます。
このような工期延長が発生したとき、仮住まいの家賃といった追加費用でトラブルになるケースがあります。追加費用を顧客がもつのか、ハウスメーカーや工務店がもつのかという点が争点になりやすいです。
営業マンとのトラブル
営業マンと施工するスタッフとでうまく連携が取れないと、言った言わなかったのトラブルが発生しやすいです。内容としては、営業マンが可能だといった施工内容が実際にはできなかったり、無料だと聞いていたサービスに料金が発生していたというものがあります。このトラブルを防ぐために、営業から施工まで同じ人員で行う施工会社もあります。
近隣との騒音トラブル
住宅の施工時には、どうしても建設にともなう音が発生してしまいます。これから住む家で近隣とトラブルが起こってしまうと、長期間近所づきあいがぎくしゃくしてしまうことが懸念されます。近隣にていねいな挨拶まわりをすることをセールスポイントにしている施工会社もあるので、ホームページや問い合わせでチェックしましょう。
トラブルが起きた際の相談先
トラブルが起こってしまったときは、ひとりで抱え込まず専門の相談先に連絡することが大切です。住宅トラブルの一般的な相談先を、3つ紹介します。
国民生活センター
国民生活センターは、消費者トラブル解決のための組織です。トラブルが発生した際は、最初にここに連絡することをおすすめします。相談は「188」のホットラインで受け付けています。一部のIP電話からはつながらないので、注意してください。
法律事務所や弁護士
当事者同士での解決が難しい場合は、弁護士などの専門家を挟むことで解決をはかる場合があります。弁護士への相談は、1時間ごとに3,000円から5,000円程度の相談料が発生することが多いです。費用を抑えたい、まずは相談だけしたいという考えの場合は、最初の30分の相談を無料にしている法律事務所もあるので、そちらをおすすめします。
住宅瑕疵損保責任保険
住宅瑕疵損保責任保険は、新築住宅に瑕疵があった場合に補修を行った業者に費用が支払われる保険です。この保険に入っておけば、万が一住宅に問題が見つかった場合に経済的負担がかかりません。瑕疵はどの施工会社でも発生する可能性がゼロではないので、保険への加入したほうが安心です。
トラブルを回避するにはどうすればいいのか
この項では、トラブルを回避する方法を紹介します。トラブルは未然に防ぐのが一番なので、ぜひ覚えておいてください。
慎重に施工会社を選ぶ
施工会社によって施工の質が大きく変わります。信頼できる施工会社を探し、そこに依頼すると、トラブルのリスクを大きく軽減できるでしょう。また、見積りや相談に積極的に応じてくれるか、疑問にていねいに回答してくれるかといった点も、信頼できる会社であるか判断する基準になります。
営業マンとのやり取りに気を付ける
言った言わなかったのトラブルを未然に防ぐには、重要な決めごとは文章で残すことを意識することが大切です。電話の際はメモを細かくとる、メールやチャットアプリでやり取りを残すといった対策で、自己防衛できます。
施工前に近隣に挨拶する
先述したとおり、住宅を建てる際の騒音はある程度はしかたのないことです。しかし、施工前に近隣に挨拶まわりをしておくだけでも、心証は大きく変わります。周辺住民との円滑なコミュニケーションのためにも、事前の挨拶を忘れないようにしましょう。また、挨拶の際には粗品や菓子折りを持っていくのも効果的です。
まとめ
注文住宅でのトラブルは避けられないものの、その対処法と回避策を知ることで、安心して新しい住まいを手に入れられます。信頼できる施工会社の選定や営業マンとのコミュニケーション、そして近隣住民への挨拶は、トラブルの予防に大きく貢献します。
万が一の際には、国民生活センターや弁護士、さらには住宅瑕疵損保責任保険など専門家や保険を頼りにすることも重要です。購入を検討している方は、この記事を参考にして、安心して理想の住まいを手に入れましょう。
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引用元:https://www.kuros.co.jp/